人にはきっと伝わらない喜び・・・
こんな喜び、きっと誰にも伝わらない事なのだろうけど・・・、3D CADを覚えて自分で色々設計し始めて、そして3Dプリンター購入して、実際にモノを作り出すまでを出来るようになり、実用的なもの、販売できるもの、くだらないもの・・・様々なモノを設計してみて造形してきましたが、今日がその中でも一番嬉しく一番実用的で一番出来のいい感動的なものが作り出すことが出来ました・・・。
ハサミの柄・・・!!!!
握るところ・・・グリップの部分です・・・。
そんなしょうもない・・・超単純で簡単な造形物の一体どこが・・・?と、なるかと思います。
しかも16年前くらいに100均で買った、何の変哲もないただの安物のハサミの・・・。
ところが、当時100均で買ったこのハサミが何とも言えない使い勝手の良さとちょうどいい切れ具合、そして重さと重量バランス、握った感じでの何とも表現し辛い、一つの道具としての絶妙な質感の良さ・・・。
本来何の特別感もないたかが100均の普通のハサミなんですが、どうしてかモノを切るときは、これじゃないと嫌なんですよね・・・。
その後何度か別のタイプのハサミを買って使ったこともありましたが、やはりどうしてもこれじゃないと何故だかダメなんですよね・・・。
そんな大のお気に入りだった100均のハサミも16年間使っているうちにいよいよ経年劣化で、指を入れる柄の輪っかの部分が片方割れて壊れてしまいました・・・。
という事で別のハサミを使わざるを得なくなったのですが、やはり何度使ってもどうしてもあのハサミじゃなきゃ私にはダメで、同じものがないかとあちこちの100均も回りましたがやはり16年前に買ったこれと同じものは一切もうどこにもなくて、指を入れる輪っかが割れて指が上手く掛からず、モノを切るときの微妙な力のかけ具合が出来なくても、それでも何とかごまかしごまかし壊れたままのハサミを昨日まで使ってきました・・・。
そんな時、はっ!っとそれまですっかり忘れていたかのような3Dプリンターの存在に改めて気が付き、だったら自分の使いやすかったハサミの柄・・・グリップ部分を自分で作ればいいじゃないか!と、作ってみる事にしました・・・。
割れてしまった元々の柄を、ヒートガンの熱で溶かして外し、柄の中に入り込む金属の形状と寸法をノギスで測り、スケッチデザインを起こしフィラメント樹脂でのFDMではなく、工業レジンを使うSLAの3Dプリンターで作り出してみました・・・。
なぜかというと、FDMで作り出す材質のフィラメントの方は、質感はカチンっと硬くてつるつるっとした感触と質感に対し、SLAの方ではちょっと手に馴染みやすいマット感があって、硬いんだけど微妙にいい具合に追従する弾性がある材料が使える事。
僕が求めるハサミに入れる力のタッチ具合を伝えるには工業系レジンが使えるSLAがあの質感や微妙な弾性がハサミのグリップを作るには向いていると思ったからです・・・。
出来上がってみたら、もうそれこそイメージ通りそのもので完璧・・・。
寸法、形状、重さ、質感・・・。
どれをとっても私だけが持つイメージにはパーフェクトなモノづくりの完成となりました・・・。
あまりにも仕上がりとイメージ通りがパーフェクト過ぎて、こんなにモノを作った出来上がりが気持ちよくて何とも言えない嬉しさなんて初めての経験感覚です・・・。
たかが100均のハサミの柄ごとき、1個作っただけなのに・・・。
自分の中にだけある物語りと、この一連のコンセプトの現実的なモノの完成と感覚はきっと人には伝わる事はなく、自分の中にだけあるストーリー完結の嬉しさと喜びが表現できた今日この頃の出来事でした・・・。
アサヒ3D製作所
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